私は平成十二年に東栄町古戸の花祭りを取材し「神々の里の形」を上梓した。
この本の主題は祭りを彩る様々な形の美しさだった。
花祭りの祭場は、「切り草」と呼ばれる色とりどりの和紙の切り紙で飾り立てられている。
私の関心は、その「切り草」の美しさから始まったが、次第に、色や形という直接的なものだけでなく、祭りには総合的な「美」の存在が不可欠なのだと思うようになった。
つまり、祭りに「美」があったのではなく、「美」を求めるという、人間の本能のようなものが祭りを創りあげてきたのだ。
- 形の旅 -
P.94-
#祭り、#美、#美しい、#継承、#伝統
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