もっと昔、庶民が何を考えていたのか、どういう思いで暮らしていたか、世相がどうったのか。
そういうのを探るのに広告は都合がいい。
人々が欲しいもの、欲望を映す。
その広告が出た当時、こういう思いをしていたのかと、時代を思い巡らし想像する。
ものを集めても独り占めして愉しむのではなく、そものが喜ぶ方法で集め、みんなに見てもらいたい。
充実させて残したい。という使命感はある。
~ 三河の広告 インタビュー記事より 佐溝力 ~
引札が魅力的なのは、琺瑯看板もそうなんだけど、そこにある文字や絵のレベルが高い。今のデザイン業界が参考にしても勉強になるくらいレベルが高く、デザイン面でも有効な資料になる。社会の問題だけでなく、造形として評価できる。引札の絵は世相を反映するだけでなく、有名な人が描いていたり、印刷も当時の最高水準で刷り上げている。
~ 三河の広告 インタビュー記事より 味岡伸太郎 ~
広告コレクター佐溝力氏の膨大なコレクションの中より三河に関わる広告を集大成。
色鮮やかに蘇る明治大正初期の引札に始まる多彩な広告。
時代の世相や人々の関心。
今は衰退した地域の産業や特産物・描かれた風俗も興味深い。
広告はまさに庶民史の語り部である。
--- 佐溝力 ---
昭和21年、豊橋生まれ。小学生の頃より収集を始める。
昭和38年より自転車旅行・徒歩旅行・ヒッチハイク等、その後トラックの運転手として全国を回る。
平成6年、蒲郡市図書館で氏のコレクションを用いて「明治・大正。昭和時代のホーロー看板」展が開催される。
平成17年、豊川市桜ヶ丘ミュージアムにて「ホーロー看板に見る広告文化史~サミゾチカラコレクション展~」
三河の広告
B6判/ハードカバー/256頁
発売日2009年
定価 3,000円(税別)