戦争の記憶

戦争の記憶

取材は祖母の戦争体験を聞くことから始まった。

不戦の願いを語り継ぐ、東三河の戦争体験者20人の記憶。



はじめに

 

終戦三十年に生まれた私が、去年30歳になった。この年に、祖父母の世代の話を聞きたいと思ったのは、30年という月日を振り返れる身になってみて、その短さに驚かされるからだ。自分が生まれた昭和49年から思えば、爆音の余韻があってもおかしくないくらい、昭和20年は遠い過去ではない。そう気付いた時、背中に降り掛かる火の粉の熱さを感じたからだ。今なら、子どもの頃に繰り返し聞いた祖父母の話も、あの頃とは違う耳で、眼で、受け止めることができるのではないか…

 


戦争の記憶

戦争の記憶

B6判/ハードカバー/320頁

発売日2005年8月20日

定価 3,000円(税別)